カテゴリ:2年の授業風景( 19 )

第9期2年生 第3回「鉄平石」

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7月15日(土)は、家づくり学校2年生の第3回目『鉄平石』の授業でした。

今回の探訪では、大型バスを借り切り、諏訪の方に行って参りました。
引率講師は泉幸甫先生、現地で案内いただいたのは藤森鉄平石の細田さんです。

諏訪の鉄平石は、およそ2400年前、霧ヶ峰火山の活動により誕生した石。
その活動によって2㎝前後の水平に積み上がった岩石の層を板状節理といい、
さらに3~5m幅で垂直に積み上がった層を柱状節理といいます。

鉄平石は、その節理に沿って層状に剥がれる特徴を持つ輝石安山岩。
山肌に岩の節理が露出している採石場の圧巻な風景をバックに、
細田さんの解説に聞き入ります。

職人さんが、石を薄く割る技を披露してくれました。
節理を見極め、石の小口にノミを打っていきます。
ぐるりと一周するころには、水平にひび割れが浮き出てきて、2枚に剥がれます。
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板状に割り出された石が、そこかしこに積まれています。
サイズも様々、色も様々、小口も様々、表情も様々、、、
ともかく、様々な使い方の可能性を感じる石であります。
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鉄平石の採石場を後にし、向かったのは、鉄平石による石屋根葺き民家。
石質は硬く、耐火性、耐候性、耐重性、耐酸性が高い鉄平石。
そして薄くできる特性を活かし、屋根に葺かれてきた素材でもあります。
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そして最後に訪れたのは、茅野市にある『神長官守矢資料館』。
現代的な建築における鉄平石の使い方を見学。設計は藤森照信氏+内田祥士氏。
屋根には、鉄平石が葺かれています。
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飛び石のように敷かれた鉄平石のアプローチ。
分岐点には、水路を跨ぐブリッジも兼ねて巨大な鉄平石を配置。
その巨大な石と建物の間にも大きな鉄平石が2枚鎮座しておりました。
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鉄平石が他の石と異なるのは、岩石を切り出すのではなく、割り出すこと。
そのため、形、大きさ、厚みという点において、同じものはありません。
工業製品化された建材に慣れた近代的な建設現場では、扱うのが難しい素材かもしれませんが、
そこに手づくり、モノづくりの新たな可能性を感じる素材でありました。

次回9月は『瓦』の探訪、高崎に向かいます。

根來宏典/根來宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2017-07-24 17:12 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第9期2年生 第2回「植木」

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第9期2年生、
素材を探訪する授業が本格的に始まりました。

6月17日(土)第2回目「植木」の授業風景のレポートです。
講師は川口通正建築研究所の川口通正先生です。
植木の町「川口市安行」をアチラこちらと歩いて植木について勉強します。

最初、駅前にて川口先生より今回のルートの説明と
せっかく授業として参加しているのだから
最低10種は樹木、下草の名前は覚えるようにとお題を課せられました。

まず初めに伺ったのが三朋緑化さん。ここは一般のお客さんも買いに来られるお店です。
樹木やお花について流行があることや昨今の業界の状況など、お話しを伺いました。

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途中、川口先生が手掛けられた家の住まい手さんも飛び入り参加され、
近くに住んでらっしゃるとのことで裏道を散策。

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その後、2か所ほど、
生垣や竹の種類が多い植物園、樹木の販売所をめぐり、
お昼休憩。

お昼を食べた後、
植木について川口先生よりミニ講義。
高木、中木、低木、下草。ちょっとしたテクニック。植木屋さん用語。
などなど、
それぞれ興味深く感じた内容はそれぞれかと思います。
その中のひとつ、
1本の木を生かすため(根付かせるため)に3本植える。
ちょっとかわいそうだけど
メインの木の為に2本は枯れても良いと考え植えるテクニックだそうです。

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ミニ講義の後は、
庭に関する資材を扱う石屋さんへ
ちょっとした石を使うときのテクニックなども教えていただき、

最後は川口先生が設計された家へ。
最初の写真がその家の前で撮影させて頂いたものですが、
実際に今日みてきた植栽たちが、
どのように使われ生かされているか、
目で見て、
肌で感じることができたのではないでしょうか。

福田建築設計事務所/福田
一部写真/小野育代建築設計事務所/小野育代

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by iezukuri-school | 2017-06-21 13:11 | 2年の授業風景 | Comments(0)

2年生第1回目「素材」

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5月20日(土)、家づくり学校2年生「素材」の授業がありました。

2年生は、教室から飛び出し、素材や物づくりの現場を訪ねるカリキュラム。
例年ですと、初回から外に出かけての見学会になっていたのですが、
今年は始めに「何故そのような授業を行うのか?」というガイダンスを教室で行い、
2回目から出かけようとなりました。
講師は、泉幸甫先生です。

「自然素材って良いよね」「手づくりって良いよね」って話が、よくあります。
泉先生自身もそのような住宅設計を手掛けてきたわけですが、
決して工業化を否定しているわけではありません。
自然素材や手づくりの素材を扱うことの難しさを、
住宅産業の歴史的な流れ、豊富な経験の中で解説。

それに対し、自分はどう立ち向かってきたのか。
「職人的な世界感」と「機械・プレキャスト的な世界観」を二項対立的に捉えるのではなく、
工業化の良い所は取り入れつつ、新たな設計手法を模索しつつ、
その狭間で生きる住宅設計者として、今後の世界観へと導いてくれたように思います。

さてさて今年は、植木、石、瓦、建具、木材、古材・再生素材の産地や技術を探訪します。
知らない世界を知るということは大切なことなのですが、より実践的に考えた場合、
知ったことをどう実務に結び付けることが出来るかというビジョンが必要。

そんな住宅設計者の在り方を考えさせられる授業でした。
早く教室を飛び出したいという気持ちが高まったことと思います。

根來宏典/根來宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2017-05-23 17:25 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期2年生 第8回「古建築」

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1月14日(土)、家づくり学校2年生「古建築」の授業がありました。

引率講師は、山本成一郎先生と石黒隆康先生。
行き先は、信州の鎌倉とも言われる「塩田平」。
国宝や重要文化財が残る歴史あるエリアです。

まず初めに向かったのは、国宝『大法寺三重塔』。
プロポーションが美しい建築です。
1階から3階にいくに従って、塔の幅が小さくなっています。
これを「逓減率」といい、時代の古い塔は値が大きく、新しいほど小さいのだそうです。

柱と柱は、長押で結ばれています。
頭の高さにあるものを「内法長押」、腰のあたりにあるものを「腰長押」、
縁の上にあるものを「縁長押」と呼ぶそうです。
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この長押工法が採用されるようになった後、建物の耐震性が高まり、
後世に残る現存率も高まりました。

続いて訪れたのは、国宝『安楽寺八角三重塔』。中央には、八角の須弥壇に仏像が鎮座。
一見すると四重塔に見えますが、最下段に大きな裳階(もこし)を付けた三重塔。
塔の中心を基点に、垂木を放射状に掛けた扇垂木。手間の掛かる仕事です。
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こちらは、特別に内部を見学させていただくことができました。
内部は、内陣と外陣に分かれ、八本の柱で仕切られています。
弓欄間から漏れる僅かな光は、お釈迦様のお顔を照らします。
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最後に訪れたのは、国指定重要文化財『中禅寺薬師堂』。
薬師堂の建立は今から800年前、信州最古の建物であります。
方三間の阿弥陀堂。屋根は茅葺で、頂上には宝珠が載っています。
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こちらも特別に、内部を見学させてもらうことができました。
内部には四天柱が立ち、その内外で内陣と外陣に分かれています。
内陣は格天井、外陣は垂木を表す化粧屋根裏となっています。
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国宝に指定されている建造物は、日本全国に221か所あります。
もちろん関西地方(奈良64、京都50、滋賀22、兵庫11、和歌山7、大阪5)に多く、
その数は、159か所にも登ります。

東京近県ですと、福島1、栃木7、群馬1、埼玉1、茨城0、千葉0、東京2、神奈川1、
山梨2、長野5といった感じです。

国宝級の建造物を建てるためには、技術力が必要ですし、
もちろん財力も必要だったことでしょう。
そして、それらを残す文化や時代背景も重要になってきます。

そう考えてみると、首都圏で国宝級の建造物を見学することは、
貴重な体験ですし、学ぶことの多い機会となりました。

根來宏典/根來宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2017-01-20 11:42 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期2年生 第7回「木材」 

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家づくり学校2年生「木材」の授業風景レポートです。

講師はアトリエフルカワの古川泰司先生。
埼玉県秩父の山へ向かいました。

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先ず最初にお会いしたのは、きこりの上林さん。
日本のきこり100人にも選ばれたことのある、すごい方。
そんなすごい方なのに、とても気さくで、木の事を語り始めたら止まらない。
きこりのお仕事の事、山のこと、木の事、林業のこと、あれやこれやと、面白おかしくも為になるお話に、学生たちもメモを取るのに必死でした。

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授業の為に杉を1本伐採して頂くところの見学させて頂きました。
上林さんの身のこなしの軽いこと。最初の写真のようにかなり斜度のある山をヒョイヒョイと登ってあっという間にチェーンソーを操って、切り倒すところを見せて頂きました。
切り倒された杉の木の断面はとてもみずみずしく、きれい。

次に伺ったのは金子製材さんへ、
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山で切り倒した木を柱や板材へと加工する工場です。
金子製材さんは日本でも数少ないJAS認定の構造材を製材できる工場です。
最初にレクチャーを受けたテーブルの上にあるのは、ヤング係数を計測する機械。
日本の林業の事、木材の流通の事、製材にたいする考え方や、苦労されていることなど、資料を見ずにスラスラと具体的な数字や事例を交えながらお話しされる金子社長の姿は木材に対する思いをとても感じられ勉強になりました。
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伐採から製材という過程を見学したのちに伺ったのは、
講師の古川先生が設計された、「わらしべの里・共同保育所」へ。
国産木材をふんだんに使った建築の見学です。
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燃え代設計により木の架構が美しい建物でした。お迎えを待つ子供たちが楽しそうに遊んでいる姿が印象的で、うちの近くにもこのような施設があったらと思う、いごごちのよさそうな保育所でした。

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朝から夜まで、まるまる1日、山と木に触れ合う授業となりました。

福田建築設計事務所/福田隆一
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by iezukuri-school | 2016-12-23 00:59 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期2年生 第6回「左官」

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11月12日(土)、家づくり学校2年生「左官」の授業がありました。

講師は、泉幸甫先生。
指南役には、上遠野健吾さん、古川元章さん、清水友宏さんの左官職人お三方。
集まったのは、東中野にある「富沢建材」さんです。
ここは、左官屋さんが材料を買いに集まってくる場所なのですが、
材料だけでなく、人が集まり、情報が集まり、今では左官のメッカと言われております。

左官のお話を聞いた後、左官技法の一つ「掻き落とし」を体験。
基材は、白セメント:石灰=2:1。
セメントは硬化が早く、石灰は硬化を遅らせる効果があるそうです。
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色を付けたい人には、セメント、漆喰、石膏プラスター用の顔料を準備。
粒子が細かく、耐候性・変色・退色に優れ、着色力が強いので、とても便利な材料です。
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各自が仕上がりを思い描きつつ、基材に骨材(土や石)を混ぜて、配合していきます。
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水を少しづつ加えながら混ぜます。
好みでワラを加えても良し。ワラはひび割れ防止の役目も担います。
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木枠に塗り込み、乾かします。時間が掛かりそうなので、ストーブの前で。
みんなのを並べると、色とりどりで、それぞれの個性を感じますね。
左官は水の引き具合が重要で、掻き落としのタイミングを見計らいます。
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乾かしている間は、富沢建材さんの中にある左官展示室を拝見。
左官界の巨匠・榎本新吉監修によるもので、現代を代表する左官職人の作品が展示。
大河ドラマ「真田丸」の題字を左官で描いた挾土秀平さんや、
上遠野さんの師匠・平岡祐紀さんの作品などが飾られています。
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少し時間があるとのことで、素人でもできそうな「漆喰磨き」にも挑戦。
磨きとは、鏝を何度も何度も当てて、表面を密にし、磨き上げる技法。
上手く仕上がると、ピッカピカに光った艶が表現できます。
肌理の細かな石灰クリームを使い、色づけは掻き落としの時と同じ顔料を使いました。
ポイントは、顔料をよ~く混ぜること。そして薄くぬること。
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下塗りの状態で、一度乾かします。みんな個性豊か。
2度塗りの予定だったのです、一度塗りでも大丈夫でしょうとのこと。
鏝は硬いものを使用。あとは磨くのみ。と言いたいところですが、鏝で磨くのは難しい、、、
左官職人さん曰く「手で磨いた方が、綺麗に仕上がりますよ」と、、、
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いよいよ掻き落としの作業。どんな表情が現れるかワクワクします。
掻き落としの道具は、荒々しく仕上げたければ荒々しい剣山、繊細に仕上げたければ繊細な櫛。
道具だけでなく、力加減や櫛の引き方でも表情が変わるのが手に取るように分かります。
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さて、ワークショップで得た成果(掻き落とし、漆喰磨き)を並べてお披露目会。
そして、先生方の講評。磨きが上手くいった人もいますね。
左官の世界、その楽しさに、すっかり魅了されてしまいました。
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根來宏典/根來宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2016-11-18 17:08 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期2年生 第5回「古材・再生素材」

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10月22日(土)、講師・安井正先生の引率で「古材・再生素材」の授業に行ってきました。

はじめに訪れたのは新木場にある『東京ボード工業』さん。
パーティクルボードを作っている工場です。
パーティクルボードとは、木材をチップ化し、これを接着剤で再結合させた木材製品。
寸法や価格の安定性に優れており、システムキッチンや収納家具、マンションの置床など、
私たちの暮らしの身近なところで多く使用されている建材です。

その原料となるのが、100%木質系廃材。
型枠、パレット、木製家具、造作端材、フローリング、植木、割りばし、、、
CO2削減や循環型社会の実現という意味では、欠かせない取り組みでもあります。
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届けられた廃材には釘などの金属も交じっております。
それらを丁寧に取り除き、厳ついカッターで粉砕されチップ化、
そしてボード状に固められ、F☆☆☆☆(フォースター)の印字がされ、出荷されます。
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リサイクルやエコというと聞こえは良いですが、
実際にその生産現場に足を運んでみると、シビアな現実を感します。
自分たちの作ったものが、その役目を終えた時のことまで想像しておくことは、
設計者にとっても大切なことだと思います。

昼食は、新木場にある『中島工務店』さんのモデルハウスをお借りして、お弁当タイム。
本社が岐阜県加子母にある工務店で、加子母の木材がふんだんに使われております。
今回の授業とは主旨は異なりますが、とても気持ちの良い住宅を見学させてもらいました。
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続いて訪れたのは、同じく新木場にある『ひでしな商店』さん。
古民家などの解体材を取り扱うお店です。
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店先はなんだか怪しげな装いなのですが、中に入ると、
古材好きにはたまらない夢のような世界が広がっています。
古い建具、欄間、書院、古い民具、、、お宝感満載です!
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店舗から少し離れたところにストックヤードもあり、
そこには大量の柱や梁、板材なども保管しており、そちらも案内していただきました。
古材の元々の使われ方に思いを馳せ、新たな使い方を想像すると楽しくて仕方ありません。
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場所を神楽坂に移し、安井先生が古材、古建具を用いて設計した住宅の見学。
黄色く塗られた鉄骨らせん階段と古建具とが見事に調和しています。
扉の向こうは寝室になります。
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寝室も気兼ねなく見せてくださいました。建主さんが現代アートの作家さんです。
古建具を開けると吹抜になっており、下にはギャラリーを見下ろすことができます。
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住宅建学の後は、そちらの建主さんが、神楽坂の路地裏散策へと導いてくださいました。
最後は、夜の赤城神社(設計:隈研吾)を見学。歴史とモダンが融合する建築です。
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そして、安井先生計らいのもと、古民家を利用した食事何処で懇親会。
楽しく濃密な一日を経験させていただきました。
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根來宏典/根來宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2016-11-04 22:13 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期2年生 第4回「建築金物」

まだ夏の暑さが残る9月17日、
講師 泉幸甫先生・根來宏典先生の引率で 「建築金物」の授業に行ってきました。

2年生の授業は素材について考える事、今回は建築金物について、鍛鉄、鋳造など製造、製作現場に足を運んで勉強してきました。

はじめに伺ったのは、神奈川県藤沢にある さいとう工房 さん。
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象のオブジェが出迎えてくれました。このオブジェも樹脂に鉄粉をまぜて製作されているそうで、風雨にさらされ錆が出ることでまるで生きているような質感となっていました。
代表の齋藤さんは、とても気さくな方で、鉄にたいする愛情をひしひしと感じます。
鉄というと、硬くて冷たいそんなイメージがありますが、齋藤さんの製作されるものは、逆に柔らかく触りたくなる。そんな風合いがありました。
鉄は錆びるけれど、欠点ではない。うまくコントロールできれば、こんなに味のある素材はない。勇気をもってどんどん使ってください。住宅のなかで鉄を表だって使う機会が減っている中とても刺激になるお言葉でした。


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工場では、面白そうなものを製作中でした。

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棚もドアも鉄。

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住まいの部分も見学させて頂き、過去に製作されたファイルをみんなで拝見しました。
有名建築家との建具製作の裏話など、いろいろ興味が尽きないお話ばかり。
鍛造(ロートアイアン)の製作現場、実際に住居に使われている状況を見ることができました。


午後は移動して東京墨田区の鋳物工場 東日本金属 さんへ

鋳物とは熱で溶かした素材(鉄や真鍮)を鋳型に流し込み成形することですが、ドロドロに溶けたものを見るのは初めての人もいたのではないでしょうか。こちらの工場では砂型鋳造、砂で鋳型を作っています。
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砂型に溶けた金属を流し込む作業は迫力があります。

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砂型に使う砂や水分量、職人の腕は見えないところにあることを実感しました。

その後、磨き、加工を施し組立へ
それぞれの工程で職人さんの腕が必要です。
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社長さんみずから、いろいろなお話しを伺うことができました。
文化財的な建物の建築金物の再現、再生の仕事をされた際の苦労話や、
失敗した話など、とても勉強になる内容でした。

その後は、有志で居残り勉強という名の懇親会へ、
とても充実した授業でした。

福田建築設計事務所
/福田隆一
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by iezukuri-school | 2016-09-28 22:17 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期 2年生第3回 「建具」

第8期2年生の3回目の授業レポートです。

7月9日(土)、2年生は「建具」の製作現場、工場を巡ってきました。

講師は松本直子建築設計事務所松本直子先生です。 

現地コーディネートは荒川木工所荒川さん阿部興業さん。

今回は泉幸甫校長にも同行して頂きました。

まずはコールドプレスの工場。
下地の面材や心材の特徴を教えて頂きました。
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心材のホゾ組などは人の手で組まれています。
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建具の反りについて聞いてみたところ、反らない建具はないと即答されてしまいました。
いかに反りを少なくできるかは、細かな職人さんたちのノウハウの積み重ねだそうです。
環境にもよるのでしょうが、フラッシュ戸内部で結露を起こしていたケースもあったそうです。


昼食を取って、次は松本直子先生のミニ講義です。

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スライドで実際の竣工事例をみせて頂きながら、建具での表現や製作の可能性についてお話し頂きました。
その中でも、木製防火サッシの認定取得や実験についてのお話はとても興味深い内容で同行されていた阿部興業さんも興味津々。。。

次に向かったのはホットプレスの工場です。

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コールドプレス、ホットプレスと面材接着の過程で違いのあること。
はじめて知った方も多かったのではないでしょうか。

その次は、NC加工機を導入されている特注品の加工が得意な工場です。

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手加工と機械加工の特徴や組子の加工など、本だけでは得られない知識が勉強できました。


最後は荒川木工所さんにお邪魔して、荒川さんの講義です。

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一歩踏み込んだ建具のお話しを伺うことができ、最後には後を継がれるであろう息子さんの熱い思いの言葉に感動してしまいました。
こんな建具はできないだろうか、こんな表現はできないか、無理難題をどんどんぶつけてください。技術を磨く仕事がしたい。そんな感じの言葉だったかと思います。

設計者として身が引き締まる思いを感じた授業となりました。

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福田建築設計事務所/福田隆一
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by iezukuri-school | 2016-07-19 22:47 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第8期 2年生 第2回「栃木の石」

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6月11日(土)、2年生「石」の授業で、栃木に行ってきました。

栃木の石といえば、大谷石、芦野石。それに深岩石を加えた3種の勉強。
引率講師は、泉幸甫先生です。

まず訪れたのは、鹿沼にある「深岩石」の採掘場。
我々が目にしたのは、岩盤の摩天楼。
その摩天楼を登った景色は、まるで天空の城のようでした。
大谷石に似ていますが、比べて硬く、吸水率が低い、
味噌や穴が少ないといった特徴があります。

一路北上し、続いて訪れたのは、那須にある「芦野石」の採掘場。
大谷石と比べ、石の比重が重いのが特徴。つまり硬さと重さに関係します。
その分、ノコの減りが早く、運搬も一苦労。それに乗じて値段も高くなります。
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次に訪れたのは、同じく那須にある「二期倶楽部」。
1986年に6室のオーベルジュとして始まったリゾートホテル(設計:故・渡辺明)
床には芦野石、壁には大谷石がふんだんに使われ、その使われ方が秀逸な建築です。
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続いて宇都宮に移り、訪れたのは「大谷石」の採掘場。
大谷石は地下掘り。入口の立坑から地下50m。そこに広がる巨大洞窟。
闇の中、わずかな光を頼りに石を切り出す風景は、石の生産現場の生々しさを感じます。
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最後に訪れたのは「大谷石でできた建築群/集落」。
集落にある総建物数99棟の内、62棟の大谷石建物が残っている集落。
塀や外壁のみならず、窓飾り、小庇、屋根も大谷石でできた建築群です。
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以上、栃木の石を巡ってきました。
大谷石、芦野石、深岩石が生み出される風景に感動を覚えます。
3種それぞれに力強い個性と存在感を感じつつ、
素朴でありながら温かみを感じる自然素材であることを再認識。

また、それらが巧みに使われた建築事例を拝見することによって、
手づくりの痕跡が残った建築は良いものだと痛感した次第です。
年月の積み重ねとともに魅力を増す建築、そんな家づくりのヒントを得たように思います。

根來宏典/根來宏典宏典建築研究所
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by iezukuri-school | 2016-06-18 22:31 | 2年の授業風景 | Comments(0)


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