第12期1年生第2回「構法から考える」

1025日(日)に1年生第2回の講義がオンラインで開催されました。

今回の講師は今をときめく構造家の山田憲明先生と、家づくりの会建築家の諸角敬先生です。

事前に受講生に与えられた課題は「7.2m×9.0mの柱のない空間を、1本最大6mまでの長さの材木を使ってつくる〜日本で手に入りやすい寸法の材料を工夫して、無柱空間をつくる〜」というものです。

第1部は意匠設計の諸角先生が、第2部は構造家の山田先生が、課題のヒントとなる内容を盛り込みつつ構造の考え方についてそれぞれの専門性を活かしてお話してくださいました。
そして最後の第3部は、意匠設計者である諸角先生が構造家の山田先生に課題の空間を成立させるための手法を相談するという設計過程のシーンを再現することから始まり、その後に受講生の皆さんがそれぞれ考えてきてくれた回答を発表し、山田先生から講評いただくという形式になりました。

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1年生を代表して発表してくれた3人の皆さんは、それぞれ独自のテーマを持ち、三者三様の空間を構想されていたように思います。中には軸組み模型をつくってくれた方、パースを描いてくれた方、伏図・軸組図を描いてくれた方、皆さん仕事にプライベートに忙しい中、合間を縫って課題に取り組んでくれたようです。聴講している他の受講生にとっても、刺激になったのではないでしょうか。

意匠設計者あるいは意匠設計者を目指す人にとって、構造設計分野に苦手意識を持っている人は多いと思います。建築における表現が「構造により制約される」のではなく、「構造を知ることにより自由になる世界」もあると気づくことができれば、それは立派な武器になるのではないでしょうか。
そして、いかなる建築も程度の差こそあれ、予算という制約を受けて成立します。構造計画においてそれをコントロールできれば、それもひとつの武器になります。
今回の課題「日本で手に入りやすい寸法の材料を工夫して」作るというテーマは、そういったことにも繋がっているのです。

講義終了後は今回もオンラインで懇親会を行いました。
「構造設計者に相談するのは、設計のどの段階?」「どの規模の住宅でも構造設計者に依頼している?」などといった、教科書には載っていない設計実務のあれこれを、ざっくばらんに聞ける貴重な時間になりました。

次回の講義は1129日(日)、山田浩幸先生と半田雅俊先生による「環境から考える」です。
楽しみにお待ちください。

1年生スタッフ 島村香子/島村香子建築設計室


by iezukuri-school | 2020-10-27 21:39 | 1年の授業風景 | Comments(0)


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