第13期2年生 第5回目「建具」
2年生5回目の講義は「建具」。
引率講師は松本直子建築設計事務所 松本直子先生です。
日頃松本さんが信頼し建具製作を依頼している荒川木工所の荒川義昭さんと室内建具メーカーの阿部興業さんにコーディネート頂き、木製建具の製作工場を訪問してきました。
日頃木製建具を使う事は多いと思いますが、その製作過程を実際に目にする機会は少ないかも知れません。


まず訪問したのは、主に無垢の木材を使った建具製作をされている「畑産業」。
木製建具で使われる事の多い桧や杉、スプルスなどの樹種の話から、品質管理のポイントになる含水率、板目と柾目方向の考え方など、様々なお話を伺いました。

障子の組み方は実物を見ながら説明を受けたので、材料の大きさや仕口形状による強度の関係が、書籍で確認するのとは異なり実感として捉える事が出来ました。

NC加工機で数値入力による精密な加工を行っている工場です。
3次元に動く刃により、複雑な形を高い精度で削り出す事が出来ます。
機械により様々な加工が出来ますが、その建具をどう作るのか、強度や経年変化なども含め、作り手の知識と経験がとても重要なポイントになります。設計者と生産者の協働で魅力的な建具を作り出していました。


次に訪問したのは、「阿部興業 狭山中央研究所」。
建具のモックアップ展示や、様々な製品試験室を備えています。


気温・湿度が異なる2室の間に設置された建具がどのように変化するのか?
湿度による木材の伸張の影響が、建具のどの部材に大きく影響しているのか、実験により裏付けられた貴重なお話を伺うことが出来ました。
防火建具の燃焼実験や特注建具のモックアップも興味深く見学しました。
また、荒川木工所の荒川義昭さんからは、障子の組手について詳しく講義をして頂きました。近年和室が減り、障子を使う事も少なくなってきましたが、松本さんとの協働の仕事をみますと、フローリングの室内のような現代的な生活でも障子がよく合う事が分かります。障子についてきちんと学ぶ事は、新しいデザインを生み出す上でも大切な知識となります。


最後は松本直子さんに、実際にご自身の設計でどのように木製建具を使われているのか、スライドを使って見せて頂きました。 どのスライドでも、美しく魅力的な実例が紹介されました。案件ごとの使い方、注意された事など解説して頂き、木製建具が松本さんの作品において重要なポイントになっている事が分かりました。
開口部周りは設計者の特色が色濃く出るポイントでもあります。建具の魅力を知り、設計に活かしてください。技術的な課題は専門知識を持った人たちと相談し、協働で進める事で、新しい発見や飛躍もあると思います。
萱沼宏記 /PLUSdesign
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| 2021-12-13 00:09
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