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カテゴリ:2年の授業風景( 38 )

第11期2年生 第7回目「板金」

2年生7回目の講義は「板金」です。
引率講師は家づくりの会の福田建築設計事務所 福田隆一先生
特別講師として板金職人の新井勇司さんをお迎えしました。
会場はタニタハウジングウェアさんにご協力頂きました。
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まずは新井さんから座学として板金の基礎について講義頂きました。
板金をどのようにすれば美しく納められるか長年試行錯誤し、導き出された納まりのポイントなどを解説頂きました。
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板金の標準的な納まりの資料はありますが、私たち意匠設計者と同じ目線で美しく納める事を解説した資料は恐らくありません。
「新井流納まり講座」は非常に貴重な講義でした。

次に実際に鉄板に鋏を入れたり、鉄板を叩いて折ってみたり実技体験を行いました。
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0.4mmと0.35mmのガルバリウム鋼板やステンレス鋼板の厚さと堅さの違いなど
実際素材に触る事で数字がリアルな物になりました。今後私たちが書く図面も違って来るのではないかと思います。

そして、今回タニタさんが導入したばかりの人口降雨装置を使って、軒先寸法の違いによる雨の流れの変化を実験しました。
解説はタニタハウジングウェアの飯島さん。
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人工降雨装置では水を空中で粒にするのが中々難しいそうです。この注射針の様な先から水を噴霧して実際の雨に近い雨粒を再現しています。
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水切りの大きさにより外壁への雨掛りがどのように変化するのか実験しました。
板金の寸法や折り方などで水の流れが違うことを目の前で見る事ができ非常に貴重な体験となりました。

講習後はそのまま会場をお借りして懇親会となりました。
懇親会からは谷田社長も参加頂き、活発な意見交換の場になりました。
特にガルバリウムという素材の可能性と課題についての議論は盛り上がりました。
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新井さんの手を拝見。分厚い「鋏タコ」が出来ていて、まさに「職人の手」でした。
今回の板金が年内最後の講義。
来年は瓦の講義として群馬県に訪問します。





by iezukuri-school | 2019-12-23 15:42 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第6回目「木材」

2年生6回目の講義は「木材」。
引率講師はアトリエフルカワ一級建築士事務所の古川泰司先生です。
今回は埼玉県秩父にありますJASの認定工場指定されている金子製材さんに見学に行きました。
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製材工場では森から切りだされた丸太を角材や板に加工します。木材は自然の物なので一本一本個性があります。
強度も違えば乾燥すると曲がりや割れなどが出るため品質管理として正しく検査、グレーディングされ出荷されます。
金子社長からは製造工程・品質管理の他、近年の木材利用の状況から木材のカスケード利用のお話など様々な視点から木材についてご教授頂きました。
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木材の人工乾燥の様子
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木材には一本一本サイズ、強度、乾燥率が刻印されています。


次に実際に丸太が切り出される秩父の森へ視察に行きました。
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天候にも恵まれ森の中は清々しく気持ちの良い!!
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重機での伐採の様子。手際よく職人の技が光ります。

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こちらは職人さんがチェーンソーで倒した切り株。
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切り株からは鮮度抜群のヒノキの良い香りがします。
毎日森の中で作業されている職人さんから直接森の話しを色々聞くことが出来る貴重な機会でした。

次回は板金の講義になります。



by iezukuri-school | 2019-11-23 11:17 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第5回目「左官」

2年生5回目の講義は「左官」。
引率講師は家づくり学校校長の泉幸甫先生です。
今回の講義は中野区東中野にある「富沢建材」にて行われました。
ここは左官のメッカと言われているほど、あらゆる種類の左官材料が揃えられています。
2階は有名な左官職人の作品が展示してあるミュージアムになっており見応えあります!
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左官の使われる素材についての講義。学生の皆さんも熱心にメモを取っていました。
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富澤建材社長の冨澤英一さんからもそれぞれの壁の特徴について解説頂きました。

その後、上遠野左官、清水左官さんからの実技指導のもと「磨き仕上げ」「洗い出し」を全員で体験しました。
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まずは磨き仕上。コテを何回も滑らせているとガラスを上から被せた様な艶が出てきます。
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次に「洗出し仕上げ」サンプルの作品がどんな素材を組み合わせているのかを手掛かりに、完成をイメージしながら独自の配合を考えて行きます。
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各々持ち寄った素材で独自の左官の世界観を作り出していました。
中には商品化出来そうなアイデアもあり、この中のある作品が近い将来街角で良く見かける壁になっているかも知れません。
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昔はどの住宅にも普通にあった左官の壁ですが、戦後の新建材の登場により中々見かける事が少なくなってしまいました。
作り手の息づかいまで伝わってくるこの豊かな表現は、新建材では決して実現出来ない魅力が感じられます。

萱沼宏記/PLUSdesign


by iezukuri-school | 2019-10-29 14:20 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第4回目「建具」

2年生4回目の講義は「建具」。
今回は泉幸甫校長にもご同行頂きました。
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荒川木工所にて木製防火戸の講義風景

まず最初に訪問したのは埼玉県熊谷市にある栗原木工所さんです。
NC加工機を使い、1/1000の精度で木材を加工している様子を見学させて頂きました。
人間の手加工では難しい大量生産でも高い品質を確保する事ができます。
しかし、その高い加工精度をどう使うかは、やはり職人さんの経験と知識で変わります。
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機械による正確な加工を利用してまず治具を作成しその治具を使って組子を正確に加工されていました。

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建具の仕口の納まりについてもどう加工して作られているか解説頂きました。

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次に訪れたのは埼玉県幾川町にある畑産業さん
障子で使われる木材としてはスギやヒノキ、スプルスなどが多く用いられます。
同じスギ材でも重いと反り安いなど、木材の含水率とはまた違う木材の複雑な特性について
職人さんならではの貴重なお話を伺いました。
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昼食後は阿部工業さんにお話を伺い組子のパーツを組み立てる組子体験を行いました。

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埼玉県小川町にある小久保工業さんでは既製品フラッシュドアの製造工程を見学しました。
フラッシュドアの芯材はポプラのLVL材が主に用いられます。(ポプラは植樹林から伐採されているそうです。)
この他、ペーパーコアなどフラッシュドアの芯材について特徴を解説頂きました。

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フラッシュドアのLVL芯材
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ペーパーコア
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フラッシュドアの製造過程
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プレス加工の様子
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最後に場所を東京都昭島市にある荒川木工所移して松本先生の実作を通して建具の魅力について講義頂きました。
松本先生がどのように建具を学び、ご自身のデザインの中で発展させていったのかなど示唆に富む講義でした。
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荒川木工所の荒川さんにも講義して頂き、そのまま懇親会に。
一日有り難うございました。

萱沼宏記/PLUSdesign
by iezukuri-school | 2019-09-21 10:33 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第3回目「石(鉄平石)」

2年生3回目の講義は「石(鉄平石)」です。
講師は福田建築設計事務所 福田隆一先生と日頃石材を多く使っている根來宏典建築研究所 根來宏典先生。現地で案内いただいたのは藤森鉄平石の細田さんです。

鉄平石は古くから住宅でも使われる事の多い国産の石材です。
私たちは全国一の産出量を誇る信州諏訪地方に訪問し、採掘場の他、鉄平石を実際に使った建物の視察を行いました。
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鉄平石は、およそ2400万年前の八ヶ岳の噴火によって生まれました。地下のマグマが地表近くまで上昇し冷えて固まる時に厚さ数センチの層状の「板状節理(ばんじょうせつり)」 と呼ばれる石目が形成されたと言われています。私たちが目にする鉄平石の厚さはその板状節理の厚さによるものです。
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上写真:職人さんが板状節理を見極め手作業で石を層状に割って行きます。

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上写真:「板状節理」分かりますか?

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上写真:鉄平石を使った石屋根の集落視察

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上写真:茅野市にある『神長官守矢資料館』設計は藤森照信氏+内田祥士氏。
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自然素材である石はひとつひとつ異なる為、タイルの様にサンプルと同じ物が現場に納入されてくる訳ではありません。仕上がりも石を貼る職人の技量に大きく左右されてしまい私達の日頃の設計において扱いが難しい側面があります。
しかし、私たちは自然素材からしか生まれない唯一無二の存在感を知っています。
この扱いの難しい自然素材を自由にデザインの現場で使う為には、その素材の事を良く知らなければなりません。今回私たちは産地に赴く事で長年鉄平石に向き合ってきた細田さんや職人さん達から直接教えを請う事が出来る貴重な経験が出来ました。



by iezukuri-school | 2019-07-27 21:23 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第2回目「植木」

2年生2回目の講義は「植木」です。 講師は川口通正建築研究所 川口通正先生です。
今回私たちは「植木の街」埼玉県川口市安行を訪問しました。
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実際の植物を見て植物の特性について学び、高木・中木・低木・グランドカバーなど美しい外構を作るための基礎を学びます。
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川口先生が日頃の住宅設計の中で植栽をどのように使っているのか、考え方や具合的な使い方など丁寧に解説頂きました。造園・外構の専門書籍などでは決して学べない貴重な内容です。
残念ながら雨の中の視察となりましたが、川口先生の分かりやすい超実践的な講義に学生達は熱心に聞き入っていました。
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インターネットが普及しどんな情報でも簡単にアクセスできるこの時代に、私たち設計者は本当に自由になれたのでしょうか。外に出て実際に目で見て感じた経験こそが上質な情報として自分の中で蓄積され、実際に設計する場面において役に立つのではないかと思います。私自身そんな事を思う一日となりました。

私たちは1年間の様々な場所を訪れ、設計の実務に役立つ良質な経験を蓄積して行きます。


萱沼宏記 / PLUSdesign


by iezukuri-school | 2019-06-20 11:43 | 2年の授業風景 | Comments(0)

第11期2年生 第1回「素材」

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第11期2年生 第1回「素材」

2年生の初回の授業が5月18日(土)に行われました。
講師は家づくり学校の校長でもある泉幸甫先生です。
2年生の授業は素材を訪ね歩く授業内容となっているのですが、初回はなぜ素材を訪ね歩くのか、その道しるべ・心がまえとなるような授業内容です。
住宅についての生産論・計画論から、伝統的手法・現代的手法の違い、近代化や工業化によりその中で失ってしまうもの・得られるもの、その状況の中でどのように設計者として素材とどう向き合うべきか、どのような視点を持つべきか、とても考えさせられる授業でした。

福田隆一/福田建築設計事務所

by iezukuri-school | 2019-05-25 12:54 | 2年の授業風景 | Comments(0)

10期2年生 第8回「板金」

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1月19日(土)家づくり学校2年生の8回目「板金」の授業がありました。引率講師は家づくりの会の泉幸甫先生、特別講師として板金職人・新井勇司さんを迎え、会場提供はガルバリウム鋼板を扱うタニタハウジングウェアさん全面協力のもと実現した授業です。

今期10年目の学校なのですが、板金の授業をするのは初めて。この日は2年生(4年制)の授業なのですが、上の学年やOB&OGも受けたい授業はスポット受講することを良しとしています。10年目となると、それ相応の修了生を輩出しており、今回受講希望者を募ったところ50人(うち2年生16人)となり、その多さにちょっと焦りました、、、それでも新井さんが快く引き受けて下さりました。
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たくさん集まったのは、初めての授業ということもあるかもしれませんが、実は新井人気。板金の仕事はなくならないと思うのですが、既製品化が進み、今の板金はその職人技術が必要なくなってきております。そんな中でも新井さんは当代切っての技術の持ち主。というのは熱心な受講生は知っており、新井さんの仕事の多忙さも知っており、そんな新井さんの話が聞ける機会はそうそうあることではありません。

前半の基礎知識編では「板金のいろは」として、材質(ガルバ、ステンレス、銅板等)のこと、屋根の葺き方(立ハゼ、平葺き、段葺き、一文字葺き等)のこと、葺き方と屋根勾配の関係(瑕疵保証や注意点)のこと、材料や働き幅(コスト含め)のこと、板金のディテールや名称のこと、そして設計者と共に考えて作るための仕様や施工事例のこと、さらに涙なくしては伝えられない苦労話まで。
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納まりの質問においては、口で説明するのは難しい、、、今回の授業では新井さんの息子さんも同伴して下さり、その場で板金を折って、実例として見せてくれました。既製品化が進むと、このような臨機応変に対応ができる職人さんがいなくなるかもしれませんね。。。こちらは基礎編終了後の休憩時間の様子。受講生たちの熱意が収まらず、それに応じてくれる息子さん。そんな脇では、授業で使ったものを片付け、後半の準備に取り掛かる新井さん。段取りはじめ、とにかく無駄のない動きが印象的。そういった習慣が、普段の仕事から身についているんだと思います。
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こちらは息子さんが装備していた腰袋。凄い重装備ですね、、、一度屋根に上がると、下に降りたくないので、持てる工具はできるだけ持って上がるのだそうです。息子さんは現在25歳。新井さんとの談話で「継がれるんですか?」という話になるのですが、明言されませんでした。その意図は私には分かりませんが、ポロっと「あいつ上手いよ、綺麗に曲げるよ」と零していた一言が印象的でした。充実すぎる前半戦、聞きたいこと盛りだくさんの内容でございました。

場所を会議室から演習できるスペースに移し、後半「板金の納まり」の実践編。ここでは会場を提供いただいたタニタさんの商品にも目移り。タニタさんは建築家とのコラボに力を入れており、雨樋、鎖樋、外壁、屋根、換気棟、雪止め、、、ガルバリウム鋼板をはじめ銅板や緑青銅板のことなら何でも相談できるお相手なのです。
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机に並べられた鋼板や工具。まずはそれを使って、切る、曲げる、叩くの体験。よく使われる鋼板の厚みは、0.35mmと0.4mm。その違いを肌で感じていきます。鋼板の厚みを指定するのも設計者の役割なのですが、何も考えず、、、厚い方が良いと思い、、、設計図書に記載している設計者も多いかと思われます。その使い分けを考える良い体験になったかと思います。
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そして納まりを考える施工体験。人数が多いので、8班に分かれて検討。事前に新井さんがトップライトのモデルを準備下さいました。紙を鋼板に見立て、切ったり曲げたりして、細部の納まりを自ら考える内容。理論的に考える班、とにかく手を動かしてみる班、スケッチを重ねる班、固まってフリーズしている班、、、それぞれの班に個性があって面白い。
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それぞれの班の発表が行われ、新井さんに耳を傾けてもらうのですが、新井さんはどの案も否定はしません。新井さんも自身が考える解答を準備してきて下さったのですが、それも模範とは言わず一つの回答事例だと。要は雨が入らなければ良い訳で、その方法は一つではないと言います。とはいえ手間や経済的な合理性、安心感、意匠的な美しさは必要であり、そのためにはどうすれば良いかを設計者と一緒に考えるのが新井さんの世界。そう楽しそうに解説してくれました。

これだけの準備、、、新井さんは年末年始かなりの時間を割いてくれたに違いありません。学ぶこと、得ることの多い授業となり、すっかり板金の世界に魅了される一行。
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今回の実習では平葺きだったのですが、立ハゼの場合はどうか、、、用意周到な新井さん。流石の段取りです。この模型、分解してみると製作トップライトの模型にもなっておりました。近年はトップライトメーカーがあり、それを使えばその作り方を考える必要はないのですが、商品化される前は職人さんの手づくり。もちろん工業化も大切なことであり、商品に頼ることは悪いことではありません。ただ物事を考えなくなることは良くない。その商品の良し悪しを判断する物差しを持つことは大切。職人の世界を知ることは、こういった応用にも繋がり、設計の可能性を広げることになろうかと思いました。

根來宏典/根來宏典建築研究所

by iezukuri-school | 2019-01-22 18:00 | 2年の授業風景 | Comments(0)

10期2年生 第7回「瓦」

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12月15日(土)家づくり学校2年生の7回目『瓦』の授業がありました。行き先は群馬県西部。引率講師は家づくりの会の徳井正樹先生、世話役は屋根舞台の小林保さんです。

まず向かったのは『富岡商工会議所』。2018年4月竣工、設計は手塚建築研究所。内部は菱形の木軸で組まれた斬新な空間なのですが、屋根には瓦が葺かれ、街並みと調和しています。隣には白い蔵。旧呉服問屋の袖蔵をリノベーションし、ギャラリーとして商工会議所と一体的に活用。立派な鬼瓦と棟瓦の意匠が粋。新築の商工会議所の方は近代的な瓦、蔵リノベの方は近代的な瓦をだるま窯に入れて一手間加えた瓦。その両方を横並びに見れたのは良い機会でした。
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続いて『富岡製糸場』。言わずと知れたと世界遺産&国宝。明治5年創業、棟長100m超の木骨煉瓦造も魅力なのですが、今回の目的は瓦。現在、西置繭所が改修中。幸いなことに、その様子を間近で見ることが出来ます。その屋根の改修に当たっているのが、今回の勉強会の世話役・小林さんたち。文化財というのは伝統を残す意義もありますゆえ、その技術が不合理であっても守らねばなりません。それゆえの難しい側面もあるようですが、学ぶことも多く、そんな生のお声を聞く機会に恵まれました。
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場所を甘楽郡甘楽町に移して『Gallery 瓦窯』。こちらでは瓦の製造小史を学びます。甘楽町を拠点とした「新屋根開拓集団 屋根舞台(2000年結成)」という瓦職人と建築家で構成する集団があります。日本の伝統的な素材である瓦を、現代の住まいや暮らしの中に取り入れて行こうと提案している集団なのですが、その瓦産業の歴史を伝えるギャラリー。こちらは昭和40年代に活躍した煉瓦造瓦窯のトンネル。トロッコに乗って内部を見学。群馬県西部は藤岡瓦で知られる瓦の産地。富岡製糸場が出来た明治時代に飛躍しましたが、戦後は量産瓦に押され、窯の火は消えて行ったそうです。その3代目、4代目が、いま熱い思いを持って立ち上がっています。
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瓦の魅力を訪ねて、前半は公共的なもの、歴史的なものでしたが、後半は現代における住まいの事例を巡りました。世話役の小林さんのご自宅を見学。屋根はもちろんのこと、外壁にも瓦、土間にも瓦、飛石にも瓦、和室の炉縁や床の間にも瓦、薪ストーブの足元や背面にも瓦。瓦三昧なお宅。瓦の家というと和風といいますか、、、これだけ瓦を使うとコテコテといいますか、、、となりがちですが、センス良くまとめられており、上品な住まいを拝見。これでもか!という瓦量に圧倒。屋根だけでなく様々な部位にも使える瓦たちに魅了されました。
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こちらは屋根舞台の方々が復活させた「平成だるま窯」。昭和40年代までの500年間、瓦製造を担った「だるま窯」の平成復刻窯。だるまさんが座禅を組んでいるように見えることが名前の由来だそうです。形だけの飾り物ではなく、実際に瓦を生産をする窯。2005年に完成。一度に950枚の瓦が焼けるそうです。ちょうど焼き上がった瓦を窯から出している場に立ち会うことができました。効率化による量産瓦は高度な技術の進歩なのですが、だるま窯で焼かれた瓦には力強さと素朴な味わいを感じることができます。

続いて高崎市に場所を移し、引率講師の徳井さんの最新作を見学。個人宅なので写真は控えますが、素晴らしい住まいでした。
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最後は徳井さんのご自宅を見学。築24年、屋根には達磨窯で焼かれた瓦が葺かれています。一日歩き回った瓦を巡る旅、ここでは腰を据えて質問会。徳井さん、小林さんの両氏が、これまでの歩みから始まり、技術的なことまで。熱い思いを持って力説してくれました。

根來宏典/根來宏典建築研究所

by iezukuri-school | 2018-12-21 20:52 | 2年の授業風景 | Comments(1)

10期2年生 第6回「木材」

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11月17日(土)家づくり学校2年生の6回目『木材』の授業がありました。行き先は神奈川県小田原市、引率講師は古川泰司先生になります。

木材を深く知るため、まずは山へと登ります。旧小田原藩の藩有林を受け継ぐ山。山主さんであり、林業家である辻村さんの声に耳を傾けます。下草が生い茂り、管理の行き届いた美しい山林。戦後に植えられた木は切り時ですし、樹齢300年クラスの大木まで植わっています。台風の影響で荒々しさ残るところもありますが、それが自然の姿であり、山を管理する上での自然と対峙する様相を垣間見ることができました。水の豊富さが、この山の特徴。水源となる湧水を見ることが出来、美味しい水を戴くことができるのです。こちらの山に植わっている樹々は、スギ対ヒノキが7対3。スギは水が豊富に必要なので水脈に近いところ、ヒノキは尾根側に植わっています。
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こちらは大正6年に作られた水力発電の遺構。水の豊富さを物語る痕跡です。ゴミを取り除く調整池。戦時に金属類は盗まれ、石組だけが残っています。その石組にはヒビが入っておらず、保存状態が良い。江戸時代の石垣を組む技術が、ここでも活かされているのだと思われます。
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次に訪れたのは『森林組合』の土場。辻村さんの山林のような山々から切り出された丸太が集まってくる場所であり、その丸太を製材所の方々が買い付けにくる場所であります。スギとヒノキの皮や葉っぱの違いの解説に耳を傾けます。基本的なことではありますが、机上で仕事している設計者にとっては新鮮なこと。スギとヒノキの違いを知らない人も多いので、念のため。
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午後から訪れたのは『大山材木店』の製材所。丸太を角材や板に加工するところ。大規模な製材所では最新設備が導入され、オートメーション化が進んでいますが、こちらは比較的に小さな規模で、町場の製材所といった感じです。丸太の製材には3人がかり。大規模な所、小規模な所、それぞれにメリット、デメリットがあります。そういったことを、大山さんの所で学べたように思います。今回は、特別に樹齢280年の丸太を目の前で挽いてくれることに。丸太の断面を見て、まず木取りを決めるのですが、教科書的にいうと、いかに合理的に丸太を分割するかということになります。
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しかし実際に挽いてみると、木の持つ一本一本の個性に気づきます。見事な柾目が出てきました。大山さん親子は、これは建具に使おうと話し合います。建具は反りやすく、人目に触れる部位ですので、こういう真っ直ぐで良質な柾目は希少価値が高いのです。流れ作業になると、一つ一つの素材の特性を見極めることができなくなりますね。目の前で繰り広げられる大山さん親子の生々しく、人間的、職人的な仕事風景を目の当たりにする機会に恵まれました。丸太の木取りはもちろんのこと、挽いてみないと分からない素材の特質を見極め、その使い道を相談しながら木を使える製材所として貴重な存在かと思います。
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続いて訪れたのは小田原の宮大工『芹澤棟梁』の作業場。ちなみに芹澤さんは、この4月~9月にかけて森美術館で開催されていた「建築の日本展」において『丹下健三自邸』の1/3スケールの再現模型を製作されたお方。素材のこと、道具のこと、技術のこと等をお聞きします。近年の一般住宅では、現場でカンナを使う大工さんの姿が見られなくなってきておりますね。既製品によるキット化住宅が主流ですので、、、棟梁の手によると、指一本でもカンナは引けます。その厚みは8ミクロンほど、サランラップよりも薄いのです。
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我々が認識しているカンナは、台カンナ(先の写真)と呼ばれ、室町時代中頃に中国より伝わったと考えられております。それ以前に日本で使われていた木を削る道具は、こちらの槍カンナ。棟梁曰く「台カンナが入って来て、槍カンナを使える大工がいなくなった」と。槍カンナの技術を披露してくれました。流れるような美しい動き、その雄姿は勇ましい。
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続いて訪れたのは、国の登録有形文化財『清閑亭』です。明治39年に建てられた黒田長成侯爵の別邸。平屋と2階建ての家屋が雁行して連なる数寄屋造り。晴れた日、2階からは真鶴半島、大島、相模湾、箱根山が一望できるロケーション。内部の板絵襖、欄間、網代天井、鏡天井といった優れた意匠を拝見することができました。
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天気に恵まれ、清々しい一日。散歩がてらに、小田原城内に位置する報徳二宮神社の大鳥居も見学。午前中拝見させてもらった辻村さんの山で切り出された樹齢280年の柱。昨年、88年ぶりに新たに建立されたそうです。

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最後に訪れたのは木の専門店『竹広林業』さん。一日かけて木材の川上から川下までを見学してきたのですが、まずは古川先生によるその流通と役目に関する講義。そして竹広林業の高木さんを中心に意見交換が進行。

今回の見学会には、小田原市役所の農林振興係の方々も協力下さいました。林業関係窓口は、県単位では持ち合わせているものの、一般的に市町村単位ではありません。そういった意味でも、小田原市の林業振興に対する意識の高さが伺えます。全体的な感想としては、川上から川下までの連携、官民一体となっての取り組みが好印象。首都圏近くに、こんな産地があることが嬉しく、また足を運びたく思います。

根來宏典/根來宏典建築研究所

by iezukuri-school | 2018-11-22 14:31 | 2年の授業風景 | Comments(0)


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