家づくり学校 1年生第4回「歴史から考える」

1年生第4回は山本成一郎主任による「歴史から考える」でした。
本人いわく「自分はアカデミックな研究をしてきたわけではなく、作り手として古建築に携わってきた」。
山本さんは、晩年、古建築へと傾注する広瀬鎌二先生の最後のお弟子さんで、広瀬先生と一緒に古建築の改修や伝統工法を引用した建築に携わるという、稀有な体験を積んできました。

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最初に、平等院鳳凰堂や浄土寺浄土堂など有名な古建築を紹介し、一般に注目される部位、鳳凰堂であれば寝殿造り・内部の装飾性、浄土寺であればダイナミックな肘木等ではなく、それぞれの床組みと構造との関係を説明してくださいました。その後も、古建築の表面に出ている部分ではなく奥に隠れている部分を構法の視点で説明していきます。

歴史的時系列で日本の構造を紹介するのですが、そこに当時の構法の解説が加わります。おそらく、歴史と構法を同じ次元で解説してくれるカリキュラムはそう多くはないでしょう。

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後半は、歴史的建造物の周辺施設などにおいて、当時の工法を使った自作の建て方などを次々と見せて下さいました。
「釘・金物の耐久年数と桧の耐久年数は比べ物にならない。師である広瀬鎌二先生が、木組みにこだわった理由はそこにある。」
今年2月に亡くなられた広瀬先生の考えをスライドの合間に織り込み、熱のこもった講座を展開してくださいました。

(白崎泰弘/シーズ・アーキスタディオ)
# by iezukuri-school | 2012-09-18 23:36 | Comments(0)

3年生第4回「屋根」

家づくり学校第四期三年生の第四回講義「屋根」が9月16日(日)に行われました。

前回の徳井先生の講義とフィールドワークを経て、学生が考えてきた「屋根」の納まりについての課題の講評が行われました。
場所は家づくりの会事務局です。

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徳井先生は高崎にて、新屋根開拓集団「屋根舞台」の立ち上げに一役買い、その屋根舞台のメンバーと共に風土瓦を改良した「能瓦」、新作瓦の「離瓦」を開発しましたが、前回はそれらを実際に使った住宅や店舗を見学させていただきました。

そして、「屋根の役割」についての講義にて、屋根とは雨仕舞が大事なのは当然だが、熱も大きく受けるものだという考えのもと、屋根の形状や架構、通風について考え抜かれた実作をご紹介いただきました。

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今回の演習課題では、講義で学んだ屋根の役割に基づき、「雨と熱」の視点に着目し、学生それぞれが設計した住宅の屋根について再考することになりました。

こうして、原寸図等により屋根のデザインを各自が提案し、その良い点や改善すべき点についての講評を行って頂きました。特に、都心部などの密集地における屋根の在り方などについての考え方も教えていただきました。

豊富な経験とたゆまぬ研究を重ねてきた徳井先生の講評はとても鋭く、当たり前のことを当たり前のように行うことが、いかに重要かを学んだ講義となりました。

(有)宮野人至建築設計事務所  宮野人至
# by iezukuri-school | 2012-09-16 21:27 | Comments(0)

2年生・第3回「建具」

遅くなってしまいました。7月末に行われた、2年生「建具」のレポートです。

昨年に続いて建具の街へ、駅は八高線の「明覚」というところです。
都心から2時間程の遠いところです。

荒川木工所の荒川さんに段取りをして頂いて、午前中は無垢材を使った建具の工場、
午後はNCカッターを使ったフラッシュ建具の工場へ案内して頂きました。
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写真は下雲木工所さんでの風景。昨年もお世話になった工場です。
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コチラはNCカッターを使った工場、丸井木工さんです。ちなみにNCとは「ナンバーコントロール」だそうです。
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自由自在にカットできます。既製品の建具というイメージですが、
工場の様子を見ることはとても有意義です。丁寧に説明して下さりありがとうございました。

その後、荒川さんの工場へ向かい、見学と講義、それとバーベキューでした。
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ここはとにかく工場がきれい。削ったそばから、ほうきとちり取りを持って、掃除をしています。
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講義のテーマは障子について。
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そして昨年に続いてバーベキューの準備をして下さいました。
遠い私は途中で失礼しましたが、12時近くまで盛り上がったとか、、、、、。

暑い中、お疲れさまでした。
荒川さんはじめ工場の皆さん、ありがとうございました。

次回は、9月29日(土)「古材・再生素材」です。
講師は安井先生です。お楽しみに。

BUILTLOGIC・石黒隆康
# by iezukuri-school | 2012-08-28 11:05 | 報告 | Comments(0)

家づくり学校 3年生第3回「屋根」

家づくり学校第4期3年生の第3回講義「屋根」が7月22日(日)に行われました。

講師は徳井正樹先生です。
徳井先生は東京での活動のほか、現在居を構えている高崎市でも多くの活動をされており、特に瓦についての研究では地元でも多くの方々と協働されています。それら豊富な経験と知識から、「屋根」の在り方や役割について、実作を通しての講義が展開されます。

そして今回は、その群馬県高崎市にて屋根を「雨と熱」から考えるフィールドワークでした。

10:00に高崎駅に集合した後、高崎美術館敷地内にある「井上房一郎邸」を見学。
こちらは東京にあったレーモンドの住居兼事務所の写しとして建てられたもので、今ではとても貴重なものです。南側にせり出した深く低い軒が印象的で、今回の講義にとても大きく関係することでもあり、皆興味深く観察していました。当然ですが、それ以外にも内部や外構などもしっかりと見学しました。

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徳井先生は高崎にて、新屋根開拓集団「屋根舞台」の立ち上げに一役買い、その屋根舞台のメンバーと共に風土瓦を改良した「能瓦」、新作瓦の「離瓦」を開発しましたが、それらを実際に使った住宅や店舗も見学させていただきました。

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午後からは徳井先生のご自宅にお邪魔させていただき、「屋根の役割」について講義していただきました。屋根とは雨仕舞が大事なのは当然だが、熱も大きく受けるものだという考えのもと、屋根の形状や架構、通風について考え抜かれた実作をご紹介いただいたことは、我々にとってはまさに貴重な経験となりました。

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最後にはしっかりと次回への課題の説明が行われ、そのまま懇親会へ突入しました。

ここでは、学生から様々な質問が飛び出しましたが、そのすべてに真剣に答えていただきました。そして、お酒が進むにつれて、少々くだけた話も披露していただきつつ、高崎での楽しい時間が過ぎていきました。

徳井先生、貴重な日曜日に大人数で押しかけ、長々と本当にお世話になりました。

次回は事務局にて、講義と課題の講評の予定です。
皆さん、次回もよろしくお願いします。

(有)宮野人至建築設計事務所  宮野人至
# by iezukuri-school | 2012-07-28 11:47 | Comments(0)

家づくり学校 1年生第3回「構法から考える」

先週土曜日に家づくり学校一年生 第3回「構法から考える」の講義が自由学園で行われました。

通常は、家づくりの会の建築家がそれぞれの得意分野について講師を担当していただきますが「構法」は特に専門性が高く、今回は新たな試みとして構造家の大野博史さんを講師にお招きしました。

オーノJAPAN、こと大野博史さんは今大活躍中の構造家として「住宅特集」などでもおなじみです。
著名建築家と共同で、構造の新しい考え方や可能性をどのように導き出し実現していくのか、多くの事例を交えながらの講義となりました。
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各プロジェクトの様々な条件と、建築家の設計意図を読取りながら、構造材の特徴や構法、敷地条件、施工方法、プロポーション、工期、予算、など様々な切口で分析し、綿密な構造解析と経験値を拠所に、法規申請に至るまで、現実の建築にしていく過程はとても刺激的です。

構造設計は「無限に存在する許容解群の中から論理的な判断に基づき解を選択していく行為。条件整理しだいで出来ないことはないんです、デザインの可能性をあきらめないで欲しい」と力説された言葉が印象的でした。

(赤沼修/赤沼修設計事務所)

Tags: #大野博史
# by iezukuri-school | 2012-07-24 02:26 | Comments(0)


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